WindowsからLinuxへの移行を試してみた

前提

  • 2018年12月の試行の結果です。
  • Ubuntu Mate 18.04 LTSに、Windows 10の環境を可能な限り移行してみます。
  • PCは両OSのデュアルブートです。
  • 個人的な都合で、Microsoft Officeの文書を受け取り、オフラインでも扱いたいので、完全な移行は考えていません。
  • 「~があります(あるらしいです)」ではなく、実際に試した結果だけ書いています。

Ubuntu Mateのインストール

USBにEtcherで焼いて起動、インストールしました。

最初、インストールできたはずなのに起動しない(問答無用でWindowsが起動してしまう)ので調べたところ、インストール時のディスク設定で詳細を開いて、ブートローダがメインストレージ全体を指しているか確認することが必要っぽいと判明、その手順でインストールし直したら、Ubuntuも選べるようになりました。

日本語の表示と入力

最初から表示も入力もできました(モード切替は「半角/全角」キー)。16.04の頃は起動後に言語設定を開いて追加インストールする必要があったと思うのですが、今は公式版でも不要になったんですね。

fcitx+Mozc環境ですが、全体的に応答がよく、低スペック機(Celeron3000番台)でもストレスなく入力できる印象です。

ブラウザ

初期状態ではFirefoxが使えます。個人的には複数入れておきたいので、ChromiumVivaldiも追加しました。拡張は、3~4つしか入れてないので、Windows側からプロファイルをもってくるのではなく、Ubuntu側で改めてインストールしたので、移行にまつわるトラブルなどは本質的にありません。

メール

Thunderbirdを使っているのですが、Windowsのプロファイルディレクトリを丸ごとコピーするだけだと、IMAPサーバが一切読めなくなりました。パスワード入力しても、実際の認証が行われていないらしく、エラーになりフォルダも見えません。

解決策ですが、幸いMozillaのフォーラムにありました。

Thunderbird won't save passwords after migration to Debian from Windows | Thunderbird サポートフォーラム | Mozilla サポート

  1. Thunderbirdを終了
  2. プロファイルディレクトリ中にある「pkcs11.txt」を削除
  3. Thunderbirdを起動

これで、開けるようになりました。どうもファイルパスのディレクトリ区切りの違い(スラッシュとバックスラッシュ)の影響らしいのですが、ちょっと残念なポイントです。

zipファイル

Windows環境で作ったzipファイルをよく受け取るので、対策が必要でした。なにせ今の主要OSのうち、Windowsだけがzip作成時にファイル名情報を非Unicode(日本語ならシフトJIS)で格納してしまいますから。Windows 10が半年ごとにアップグレードしてますが、こういうところから変えてほしいものです。

なお、Maclinuxで作られるUTF-8ファイル名のzipは、Windows側で開けます(Windows7ではパッチが必要ですが)。

Ubuntuについては、Ubuntu日本語チームの対策もありますが、Ubuntu Mateではうまくいきませんでした。また、この話題ではunarコマンドが定番ですが、将来的に他人が使う可能性を考えると、GUIでの対策もほしいところです。というわけで、Xarchiverを入れてみたら、ファイル名が化けなくなりました。ちゃんと判定できるなら、OS標準でもやってくれたら、と思うのですが。

xarchiver.sourceforge.net

PDFファイル

AdobeのReader、もう何年も前のしかないんですね。linuxで使えるPDF閲覧ソフトの再現性については、ある程度調べる必要がありそうです。

スクロールバーの動き

細かいことですが、スクロールバーのうち、つまみ以外をクリックしたときに「クリック位置に範囲がジャンプする」という挙動なんですよね。個人的に、これは苦手なんです(この方式は全体がそれほど長くない場合にはいいのですが、非常に長い場合、目的の位置をクリックすることは実質不可能となってしまいます)。右クリックすれば「その方向に1ページスクロール」という動作になりますが、左クリックでしたいのです。

検索すると出てくるのは、困ったときの定番ArchWiki。

GTK+ - ArchWiki

~/.config/gtk-3.0/settings.ini

[Settings]
gtk-primary-button-warps-slider = false

個人的には、これですっきりしました。

ファイラー

Windowsでは2画面ファイラーでファイルのプレビューができるものを常用しています。シェルが強力なlinuxでも、個人的にファイラーは欲しいものの1つです(CLIでもlsコマンド何回も打ちますし)。試してみた限りでは、vifmが動作も軽快でいい…と思ったのですが、問題が1つ。

シフトJISのテキストファイルが正しく表示できません。

「いや、Windowsですらメモ帳の標準保存文字コードUTF-8に移行させようってときに」と言われそうですが、他の人から送られるファイルにシフトJISがある上に、一部のツールはシフトJISしか使えないのです。

あくまで個人的なケースですが、これは重大な問題です。

テキストエディタ

emacsでもvimでもvscodeでもAtomでも、と言われそうですが、もっと軽く、ちょっとしたところで使いたいのです。

こういう場合は、標準ですね。Ubuntu MateならPluma。とりあえず使えますが、こちらの需要が特殊ために、不足を感じます。

  • 全角/半角の変換
  • シフトJISファイルの読み込みと保存

くどいようですが、これも他の人なりツールなりの制約なので、避けるのが困難です。高機能エディタの拡張を使えば対応できそうですが、もっとこじんまりしたツールがあるとうれしいところ。

今回のまとめ

  • linuxデスクトップ、相変わらずマイナーとはいえ、実用性は高まってる
  • 思わぬところに穴がある。っていうかThunderbirdさんもう少し考えて
  • シフトJISや全角半角のようなローカルかつ古い問題が関わると面倒

以上、linuxvivaldiで書いてみました。