米のISPプライバシー問題への反撃
米国での、プロバイダがブラウズ履歴などを自由に使って広告できるようになった問題について、対策が出てきています。
履歴を撹乱するツールたち
「プライバシー規制を抹殺する投票を受け、ユーザ達がウェブアクセス履歴の『汚染』を試みる」
1つは「ISP Data Pollution(ISPデータ汚染)」というpythonスクリプト。月に50GiB以下で、ランダムな単語の検索結果に基づいてWebをクロールします。
また、「RuinMyHistory(マイ履歴荒らし)」はWebサービスで、色々な有名サイト(の一部)をランダムにリダイレクトします。
「Noiszy」は、Chromeブラウザ用プラグインで、ユーザ自身が設定したサイトにアクセスします。
記事中にもありますが、これらのツールは「ノイズを追加」するものであり、有効性はあまり期待できないと考えた方がいいでしょう。
VPNやTorの利用
「VPNならプロバイダがあなたのデータを売るのを止められる ― しかしVPNも魔法の弾ではない」
VPNやTorは通信を完全に暗号化するため、プロバイダからは通信内容は見えません。しかし、VPNは運営会社をどこまで信用できるかが問題(自前でVPNサーバを立てれば確実ですが、その分コストと手間と技術が必要です)、Torは通信が遅くなるといったデメリットもあります。
州レベルでの規制
「連邦政府が許可しても州が認めない!」というわけで、プライバシー規制を求めて一部の州では独自に規制を
「少なくとも3つの州は、トランプが葬ったプライバシー規制の再整備を目指す」
メリーランド州、ミネソタ州、モンタナ州では、プライバシー規制のための動きがあります。
メリーランド州では、プロバイダを規制する州法に関して聴聞会を開いています。
モンタナ州では、2018年度の予算について、「顧客のデータを許可なしに販売するプロバイダには発注しない」という規定を入れました。
ミネソタ州でも、規制のための法案を練っています。
ただ、いずれも限界はあるでしょう(州法については、大手プロバイダ側は無視する構えですし、予算制約も、仮に全てのプロバイダが足並みを揃えたら効力を失います)。
それほどに強いのが連邦政府での決定であり、だからこそ問題というわけです。