サングラスは紫外線をどの程度カットするのか
なにやら、テレビで以前、「サングラスによっては、かけることで視野内が暗くなる分だけ瞳孔が開き、紫外線が入りやすくなる」とかいう話が流れていたようですね。ネット上でも、類似の話が書いてあります。
一方、サングラスは紫外線もカットしている、という話もあります。
そこで、計測してみました。測定に使ったのは、佐藤計量器製作所さんのPC-7960GTI。
これは、普段は温度と湿度を表示するのですが、UVボタンを押すと紫外線量を測定し、UVインデックス値として表示してくれます。UVインデックスは世界共通の指標で、入射する紫外線強度に比例する値です。
サングラスは、以前購入したものなので品番とかは分からないのですが、次のものです。
- ダイソーで買った、茶色のオーバーグラス(メガネの上からつけられるもの)、もちろん100円+消費税
- ホームセンターで買った、Colemanのオーバーグラス(たしか3000円ぐらい)
ちなみにダイソーのものは「紫外線99%カット」のように書いてあり、Colemanのものは「UVカット」とあったと思います(パッケージとか捨てちゃったので記憶に頼ってますが)。
計測は、晴れた日中に、測定器を太陽の方に向けてUV計測、直後にサングラスを被せて再度UV計測、という手順で行いました。なお、太陽光直射環境でのUVインデックスは10前後(9.8~10.6)でした。測定器もサングラスも手に持ってのもので、簡易的です。
結果。
- ダイソーのもの:0.1
- Colemanのもの:0.0
UVインデックスは8~10で「非常に強い」、1~2で「弱い」なので、0.0や0.1は事実上無視できる水準と考えられます(目への影響の効き方が入射量の対数スケールだったとしても、100分の1以下ですので、相当な違いがあるはずです)。
というわけで、紫外線(UV)カットを明記しているサングラスなら、紫外線の心配はあまり必要なさそうに思えます。
ちなみに、目と紫外線については、金沢医科大学での「眼部紫外線防御アイテムとしての眼鏡の有効性評価に関する研究」という研究があります。
この報告書、とても残念なことに、PDFがスキャンらしく非常に粗く、肝心なグラフの一部が拡大しても読み取れません。ただ、全体的な傾向としては、次のことが言えるようです。
- 東洋人は西洋人より彫りが浅いため、紫外線が目に入りやすい
- メガネやサングラスは紫外線から目を守る上で有効
- メガネやサングラスの効果は、西洋人の方が東洋人より高い
- メガネやサングラスの効果は、小児の方が大人より格段に高い
- メガネやサングラスの効果は、テンプルが太いものの方が高い傾向がある
- 地面での反射が大きい場合、帽子は紫外線から守る効果はほとんどない
まだまだ昼の日差しが厳しい時期が続きますので、何かの参考になればと思います。