Telegram規制とDomain Frontingの終焉

もう1か月ほど前の話ですが、プライバシーをウリにするチャットアプリの1つTelegramがロシア(とイラン)で禁止された件は、それなりに(一部では)国内でも話題になったように思います。

「プライバシーを売り物にはしない」―Telegram創設者、ロシアでの禁止を受けてコメント

arstechnica.com

一方、その後で出た、Domain Fronting停止の話は、それほど話題になっていないのでは……という気がします。

Googleのアップデートにより、検閲対抗ツールに問題が発生

www.theverge.com

Amazon、Domain Frontingをブロック。さらにSignalのアカウントにサービス停止の警告

arstechnica.com

この2つは、要するに「GoogleAmazonが"Domain Fronting"をやめた」ということです。

Domain Frontingは、何らかのサービス(TelegramやSignalなど)が自らの独自のドメインの代わりにGoogleAmazonドメインを表(Front)に立たせる、というものです。これを使うと、表向きはGoogleAmazonのような、多数の重要なネットサービスにつながっているように見えて、内実はTelegramやSignalの通信、ということが可能になります(いうまでもなくHTTPSなので内容の検出も困難です)。

GoogleAmazonとしては、Telegramなどの隠れ蓑になることでサービス全体が一部の国(ロシアや中東諸国)でアクセス禁止になるのは不利益が大きいと判断したのでしょう。