Tor上のブラックマーケットAlphaBayの陥落
先日、Torネットワーク上のブラックマーケットの大物、AlphaBayとHansaが相次いで各国当局により接収されました。
Hansaについては1ヶ月ほど前に当局が確保し、そのままおとり捜査として運営を続け、AlphaBayの閉鎖を受けて逃げ出した利用者のデータをとってから閉鎖したそうですが、AlphaBayについては次の記事などに経緯があります。
「AlphaBayの破滅をもたらしたのは、一連の運用上の失敗」
そもそもAlphaBayの運営者を調べるヒントになったのは、2014年12月のメールでした。
このメールはフォーラムの開始を伝えるものでしたが、そのヘッダに管理者メールアドレスが入っていたのです。そこからFBIが調査を進めて、タイに住む20代のカナダ人男性に行き着きました。
ちなみにLinkedInの彼のプロフィールは多彩な技術をもっているというアピールになっており、少なくともある程度はAlphaBayの運営から実証されているとも言えるでしょう。彼は企業のCEOも勤めていましたが、FBIはこの会社をAlphaBayの収益の隠れ蓑と推測しています。
彼の資産は様々な形(不動産、暗号化通貨、車やボートなど)になっていますが、総額では3550万ドル(40億円水準)程度になるようです。
そして7月5日には、タイ警察によりこの男性が逮捕されました。逮捕時に彼が使っていたノートPCは、AlphaBayの管理者アカウント、加えてデータセンター業者にもログインした状態でした。
7月12日、タイ警察はこの男性がタオルで首をつった状態で死んでいるのを発見しました。正確なことは現在調査中です。