今度はIoTオーブンがSMSで悪用できると判明
IoT脆弱性ネタはもはや定番と化していますが、また新たなエントリです。
「SMSで乗っ取れるスマートオーブンは本当に『スマート』?」
Agaというところの「スマート・オーブン」は、GSM規格のSIMを挿すことができて、SMSで指令ができるそうです(機種にもよるのでしょうが、少なくとも一部は、プロ仕様のオーブンで、加熱にも時間がかかるそうです)。ただ、これだけだと「SIMの電話番号が分からなければ送信できないはず」と考えるところです。
しかし悪いことに、メーカーの用意しているWebコントロールパネルには問題があり(後の部分を読む限り、HTTPのみ、かつ、パスワードが5桁の数字なので総当り攻撃が容易ということでしょうか)、番号が取り出せてしまうのだとか。さらにオーブン側には認証の仕組みがないため、番号さえ分かれば自由に操作できてしまうようです。
メーカーは指摘に対して応答せず、今回の公開に至っています。なお、このオーブンの本来のメーカーはTekelekといい、他にも各種のSMSで管理可能な機器を作っているとか。
Facebook、ジャーナリストの「認証」を導入。ただし……
「Facebookのジャーナリスト認証クラスは、単なるFacebookの使い方テスト」
日本では話を聞きませんが、Facebookがジャーナリストの認証(journalism certification)とかいうものを導入したそうです。一連のフェイクニュースの関連か何かなのでしょうか。
その中身について(テストで落ちた人が)紹介するのが上記記事。あくまでも「Facebookの使い方」の(しかもかなり細かい)テストであって、ジャーナリズムに関する内容ではないそうです。
たとえばスクリーンショットにある質問。
2.「どうすればジャーナリストがFacebookとInstagramの最大限活用できるか」より、ライブ・マップに関する次の項目のうち正しいものはどれか(3項目を選択すること) ・青い点は、ライブ映像の終了時に映像が消えることを示す。 ・映像を見ている人の数や、彼らの所在について知る方法はない。 ・ブックマークは、複数のビデオをチェックする唯一の方法である。 ・ライブ・マップは利用者の位置で開く。
ちなみに正解は「2つ目以外」。筆者は「3つ目以外」と回答して間違えた模様です。
まあ、どうでもよさそうな話ではありますが。
Mirai派生のHajimeボットネット、元祖と戦っていた模様
Mirai(みらい)ボットネットのソースが公開されたことを受けて、その派生として作られたHajime(はじめ)については以前も触れました。
また、最近は脆弱なIoT機器を使用不能にするBrickerBotという「明らかにやりすぎ」な防衛マルウェアもありました。
さらに、この2つを足して1.5で割ったような事例が起きていることが判明しました。
「機器を守るため、とあるハッカーが他よりも早い侵入を試みる」
Hajimeの解析が進み、その実態が明らかになりました。主な特徴は次の通りです。
- ボットネットの通信は分散型P2Pネットワークを採用(MiraiはC&Cサーバを使用)
- 感染すると、4つのポート(23, 7547, 5555, 5358)を閉じる
- DDoSなどの攻撃は行わない(他マシンへの感染は行う)
- プロセスやファイルの隠蔽を図る
- 10分に1回、ターミナルに次のメッセージを出力(※記事では「terminal」とあります。標準出力?)
Just a white hat, securing some systems.
Important messages will be signed like this!
Hajime Author.
Contact CLOSED Stay sharp!
(一介のホワイトハット、システムの防御に参上
重要なメッセージは、こうやって署名しておくもんだ!
Hajime作者より
連絡は以上。気を抜くなよ!)
以上の特徴から、このHajimeは「正義のハッカー」と自認する者が展開している可能性が高いと考えられています。
Hajimeは既に1万以上のノードがあるとされており、少なくともHajimeが稼動している機器にMiraiは(当面)入れないため、意義はあるにはあるのですが、ほとんどの場合、この行為自体が違法な上、機材が再起動された場合、(ファームウェアがアップデートされない限り)再びMirai等との取り合いになってしまいます。
脆弱なIoT機器をデストロイする攻撃あらわる
守備が堅い企業に侵入するには
IoTな「スマート」ディルド、セキュリティの杜撰さを指摘される
米Svakom社のSiime Eyeというディルド(写真はリンク先記事を参照)は、カメラとLEDを搭載しビデオ撮影ができるのだそうです。さらに近くのPCやスマートフォンにストリーミングもできるのだとか。ちなみにお値段は250ドル(約3万円)だそうです。
(そういう需要あるんですね……"The Fappening"の話を聞く限りはありそうですが)
例によって、この製品でもセキュリティはおざなりとのこと。
- WiFi APのパスワードは「88888888」
- WiFi APの名前は通常は固定(リンク先記事では東京に同製品のAPらしきものが見つかっている)
- APIパスワードはハードコード(空文字列)
- ユーザ名、IPアドレス、ポート番号もハードコード
- PCのブラウザでも普通にアクセス可能
- 詳細な(この製品には不要と思われる)設定もブラウザでアクセス可能
- JSONPを使うことでJavaScriptによる(ビデオを含む)データ抽出も可能
- Webインタフェースの脆弱性を突いて任意ファイルの読み書きも可能
とりあえず、もしこの製品をもっている人がいたら、WiFiパスワードだけは変更しておきましょう。